7つの光の方へ

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「少年たち 格子無き牢獄」松竹座版を深読みする

ふぁーあ、少年たちの舞台、みんなででっかい画面で見れねえかなぁ〜。でもってアレコレやいのやいの言えねぇかなぁ〜。

少し前に『少年たち』を観てからひたすらずっと煩っていて、煩いついでに初めてブログ記事とやらを書いてみたりしたんだけど(前記事参照…)それでも飽き足らず結局3バージョン観て、ようやく落ち着いた。結論出た。

やっぱり松竹座版がいちばん好きなんだなあ。

これは、煩いまくったわたしによる『少年たち』松竹座版の感想追記風深読み記事です。

ちなみに『少年たち』とは、ジャニーズJrが出演するミュージカル作品。私が説明するのは野暮なので、ご興味ある方はこちらをどうぞ。

少年たち (ミュージカル) - Wikipedia

(本来は前回記事で説明するべきでした)(でもこの記事、誰が興味あるん?ていう気持ちで居たからいや今も居るから、誰も見ないような記事にご丁寧にリンク貼るのはどうなの?という気持ちもあり)(でももし興味持って見てくださった方が居たらその方には思いやりのない記事になるよなあと逡巡)

ちなみに私が観たのは円盤化されている

①『少年たち ~格子無き牢獄』 大阪ver.(2010)@松竹座(現在のジャニーズWESTの7人がそれぞれ囚人役で出演)

→ここで取り上げる「松竹座版」はコレ

②『少年たち 〜格子無き牢獄』東京ver. (2010)@日生劇場A.B.C-ZKis-My-Ft2が主演)
③『少年たち 〜Jail in the Sky』(2012)(A.B.C-ZとジャニーズWEST7人が主演)
の3つ。(映画版は未見。ここまで来たら映画版も見たい)

各バージョンで細かな設定や筋が若干違うのだけど、松竹座版は中でもだいぶ異端で。松竹座版から観た私は他バージョンを観て随分と面食らった。

1番大きく違ったのは明確な対立構造がないこと。他バージョンでは、囚人組/看守組、囚人組内での赤青チーム分けのように二項対立の形がある。でも松竹座版では囚人組の中でもチーム分けもないし濵田看守長のような非人道的な恐ろしい看守もいない(あれはあれで良いですよねぇ…恐怖…)。

囚人たちは皆、個であり仲間。更には看守もメインの一端を担っていて少年たちに寄り添う存在として描かれていたのが印象的だった。

そもそも、この「格子無き牢獄」という演目には先述の通り東京版と大阪版があり、細かい設定・演出などはそれぞれの出演者が意見を出し合い作っていったらしい。

これは憶測に過ぎないのだけれど、囚人・看守問わず皆それぞれライバル・仲間のような描き方は当時の関ジュの関係性を投影しているのかな。そう考えると腑に落ちるし、一層この作品が愛おしく思えて。

さて、私はこの作品でとても好きなシーンがあります。囚人、看守、名も無き少年たちが入れ替わり立ち替わり「なんで?」「なんで?」とモノローグを言っていくところ。
本編に直結はしてないんだけど象徴的なシーン。

「なんであの時父さんに優しくしてもらわれへんかったんやろ」
「なんでみんな笑うの」
「なんで1人で生きていかれへんねん」

と、葛藤を口々に叫ぶ。
次第にその葛藤が反抗心に変わり、少年たちが犯罪に手を染める過程が描かれる。
最初は「なんて泥臭いの…あんまり上手くないし…」なんて思った。私の想像する、きらきらして完成度の高いエンタメなジャニーズの舞台とは程遠くて(若干のアングラっぽさも感じた)。でも、決して上手くはないんだけどその青い感じに惹かれた、胸ぐらを掴まれてブンブン揺さぶられた。

『自分たちを取り巻いている現実や環境』に対して憤りや疑問を抱いている少年たち。

明確な対立関係は描かれていないと思っていたけどもしかしたら少年たちが相対していたのはこの『現実』なんだろうか……!

とにかく全編通して感じていたのは『全力で』『泥臭くて』『切実な』『少年期特有のギラギラした輝き』。

演技も発声も動きも、上手い人もいればいまいちな人もいるし、結構アラがあったり粗雑な感じもするんだけどそれが却って魅力になってる…!まとまってないんだけど個々がキラキラはじけていて、綺麗じゃないんだけど美しい。

(1番それを感じたのは神ちゃん。当時16歳?歌声は今に通じるツヤっとした声なのだけどセリフの発声がまだ粗い。でも耳に痛い声では決してなくて、若くて青い声だった。台詞回しも粗野なのに愛らしさが全然隠しきれていなくて惹かれちゃう。生きとし生ける全ての神山担に見て欲しい…多分皆地団駄踏むと思う…)

泥臭く全力投球という演技や演出も、当時の関ジュの雑草魂みたいな所とリンクするのかな〜なんて思ったら余計グッと来た。勿論会場である松竹座という劇場のサイズとか雰囲気、性格も関係しているとは思うけど。

この『少年たち』をきっかけに関ジュに勢いがついた、と言う話を耳にした。確かに凄くパワフルだった、混沌とした空気感がとても似合っていた。。。

少年たちは、日常に不満をぶつけお互いに喧嘩を繰り返す現状を打破すべく脱獄する。ナカマ曰く「今の俺らの現状」にケンカを売ったのだ。

この脱獄は結果としては失敗に終わるのだけど、現状の自分たちに対峙して脱獄した彼らと『少年たち』がきっかけで現状が変わった関ジュ、重なる部分がある…そんなことを深読みしてますますエモーショナルに感じられて……。

関ジュの頃のジャニーズWESTくんたちをあまり知らずにこの作品を観て勿論凄く楽しめたけれど、当時の彼らを知っていた状態で出会っていたら、また違う作品に思えたかもしれない。とにかく2010年当時の若く青い彼らがやる事に意味があり、あの時の彼らだからとても美しかったんだなあと感嘆した。

私はこういう演劇が好きだなー!好きなタイプの演劇作品に好きな人たちが出演する演目で出会えた事が嬉しかった。ジャニーズWESTと出会い巡り巡ってこの作品を観る事が出来て良かったなあ。

未だに余韻の中、またふとした時に、あのシーン良かったなとか思い出すんだろうな…。まだまだ話したい事はあるのだけど今回はここまで。ご清聴ありがとうございました!