『プロデューサーズ』@東急シアターオーブ
ハイテンションでみんな○チガイの下品な世界にまんまと引きずり込まれた3時間(幕間込み)!
華々しく不謹慎なトンチキフィクションの中で、マックスとレオ二人の主人公の人間じみた魅力が浮き彫りになって、最後は2人の姿に胸がきゅうんと鳴った。
《以下、ネタバレあり》
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コミカルとセクシーを自由に行き来する男、濵田・マックス・ビアリストック。
ジゴロ系ダメ男なんて俺たちが観たい濵田さん過ぎんか?
濵田さんが無自覚に纏わせてる色気を自覚的に増幅させたようなマックスの立ち居振る舞い、幾度も痺れた。
歌声も、太く艶やかに響かせたりわざと歪ませて軽薄な表情を見せたり変幻自在で、ダンスも…ハイ…好きです…。
愛嬌と掴みどころのなさが同居する濵田マックスに幕が降りる瞬間まで目が離せなかった、1秒たりとも見逃したくなかった。
1幕、どんどん乱れていく前髪良かった、収容シーンでのだらしないシャツも良かった、鳩ダンス(?)の時に捲りあげたズボンからお目見えした靴下・ガーターベルト・膝の骨骨しさに息止まった。
2幕ではマックスに哀愁や孤独感を感じて切なくなった。濵田さん由来のぞわっとするダークなムードがありましたね…。
白状しますと、私も小切手渡すおばあちゃんになりたいです。
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神山・レオ・ブルーム、可愛いって200色あんねん!!
一体どの引き出しにその表情とその声とその姿勢しまってた?
神ちゃんがまた一層演技の幅を広げた気がする。神山くん、恐ろしい子。
神ちゃんの素地にあるピュアさ・天然物のかわいらしさが活かされながらも、演技・ダンス・歌のスキルをフル発揮して神ちゃんが作り上げたレオ像は、更に魅力的で愛らしい存在だった。
一挙手一投足、どんな表情も1音も全てがレオ、チャーミングでたまらない、お陰様でこちらの母性本能はこれでもかとくすぐられまくり。
抜群の八の字眉毛、守りたい、この八の字眉毛。
ピュアな歌声で歌う「顔♪顔♪」最高に良かった。
神山くんのまっすぐで艶やかで潤いのある歌声で何つう歌詞歌ってんの〜〜!?!?
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マックスとレオのやり取りはさすがの一言、互いが自分に無いものを相手に見出し惹かれ、バディになっていく様がとても良かった。
はまかみが凸凹のバディものをやる。あー最高。
特にお気に入りはマックスがレオに振り回されるシーン。
レオに「顔が近い!」とか「顔が怖い!」とか言われてタジタジになるマックス、てんやわんやなりながらレオを宥めるマックス。
ドタバタものは動きが汚かったり雑音が多いとなかなか入り込めないけど、濵田マックスと神山レオの身体捌きの上手さと流石の阿吽の呼吸で、とにかくスムーズに没入出来てシンプルに笑えたし二人の関係値がよく分かる、何より愛おしい!
主役の2人をこんなに愛せるの、濵田さんと神ちゃんがマックスとレオだからに他ならない。
ラスト、二人が声を合わせて歌ったときマックスがレオに「お前、歌上手いんだなあ!」(細かいセリフは違うかも)と感心したように言うんだけど、「みんな知ってるよ」と笑いが漏れると同時にメタを感じてハッとなった。
これまでも2人で歌うシーンは沢山あったのだけど、それは物語の上で歌っていた訳ではなくて、二人の心が通じミュージカルの表現上「歌」となっていたということなのか…!ミュージカルのお約束というやつですね。
それがラストでは実際に2人で声を合わせて歌った、という事に気づいて、じんわり嬉しくなった。
そしてマックスがレオの肩に頭を預けるシルエットが、何だかもうすごく良くて。この2人の姿を見る為に見守って来たのかもって思えるほど。
かけがえのない存在に出会えて良かったねえマックス、レオ……!
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主演二人以外に書き留めておきたいことも山ほどある。
なんせ王林ちゃん演じるウーラが最高にセクシーキュートだった!!!
こりゃレオやマックスが骨抜きになるのもうなずける。ダンスも歌声も訛りまじりのカタコトも、魅力的でじたばたしちゃうくらい可愛かった。
「レオ、結婚しないとセックスしてくれないって言うから」ってウーラが言ったあとに会場中に( ᷇࿀ ᷆ )オオンみたいな空気流れたの良かった。
おばあちゃんランドは風邪引いた時に見る夢みたいだった。
みんな可愛いおばあちゃまたち、でも可愛いだけじゃないの本当に最低最低(褒めてる)。
アホみたいなハートの装飾に白目剥いてたのに両脇から巨大ブランコに乗ったおばあちゃんが現れてさすがに仰け反った。
私が見た回はホールドミー・タッチミーが島田歌穂さんver.だったのだけど友近さんver.も見たかったなあ…!
新納さん演じるロジャーと神里さんカルメンのペアは舞台にいるだけでパッと空気が華やぐ。
これが『ゲイ』って事かしら!
新納さんが凄いのは大前提で、カルメンが良かったのがわたし的大発見。立ち姿が美しくてロジャーの事が大好きで仕草がいちいち可愛くて。
手がハケる名(迷?)シーン、じっと双眼鏡でハケる手を見つめてしまった。
ねえ、今、私たち何見させられてる?って観客が戸惑ってそれから段々笑いが広がる時間、ほんと好き。
観客全員で息を呑んで手の退場を見届けるの最高。
ヒトラーの春の女性アンサンブルの皆さんの衣装可愛かったな。
オーロラ輝子みたいな被り物も良かった(伝わる?)(懐かしいね、オーロラ輝子)。
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ほぼ前情報なしで臨んだプロデューサーズ、思ってた以上に下品でがはがは笑いながら観たけれど、エッジの効いた笑いが散りばめられながらもマックス・レオ初めとする登場人物がチャーミングで、最後にはきゅんっと満たされた気持ちで劇場を後にした。
何度も書いてしまうけどはまかみが凸凹バディを演じる事の良さをしみじみ感じた。
息が合うってこういうこと、はっちゃめちゃな動きもダンスも歌声もやり取りも本当に素晴らしくて、2人が演じることでより愛らしい2人組になってた。
まだまだ濵田マックスと神山レオのプロデューサーズは上演が続くけれど、2人が無事に素敵なプロデューサーになれることを祈って…。